新たな医用画像検査法の開発とその評価。
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膝関節動態解析による新しいスクリーニング検査法の開発

担当者:髙木聡志

背景

今日、高齢社会や青少年に対するスポーツ英才教育の影響により、年齢を問わず膝関節疾患が増加傾向にある。膝関節の検査法としては、X線一般撮影、CT、MRIなどの検査が通常行われている。しかし、これらの検査より得られる画像はあくまでも静止画であり、動態情報を得ることはできない。kinetic MRIを用いれば動態情報を得ることが可能であるが、検査自体が大がかりなものとなってしまい、いまだ一般に普及してはいない。

研究内容

そこでわれわれは、簡便に2次元のX線動態画像を得ることができる動画対応FPDに注目し、スクリーニング検査法の検討を行ってきた。

<撮影条件> <取得動画像>
管電圧:55 kV
管電流:80 mA
パルス幅:6.3 ms
フレームレート:3 fps
撮影時間:10 s
マトリクスサイズ:
 1334×1334
  

<解析方法>

脛骨背面と大腿骨背面の直線部の角度から求められる屈曲角度と、大腿骨外顆と顆間隆起の接点の移動距離の関係を求める。

<解析結果>


屈曲角度の求め方

接点の移動軌跡

現在取り組んでいること

  • 膝関節の動態を反映した解析方法の検討
  • 患者への負担が少なく、再現性のよい撮影方法の検討
  • 屈曲角度の自動定量化

将来展望

  • 膝関節動態解析による新しいスクリーニング検査法の確立
  • Visual C++を用いた自動定量化

関連する文献

森岡茂晃,真田茂,北岡克彦,他:動画対応フラットパネルディテクタ装置を用いた新しい膝関節動態解析法.医用画像情報学会雑誌,21(1),116-121,2004
森岡茂晃, 真田茂, 北岡克彦, 他:膝関節側面X線動画像における大腿骨外顆の自動検出.電子情報通信学会,102(299),13-17,2002 9月.