頭部MR画像を対象とした領域自動抽出法および体積自動計測法の開発
−頭部MR画像を対象としたコンピュータ支援診断の構築を目指して−

担当者 林 則夫

背景

 現在,初老期痴呆の診断や経過観察においてMRI検査は非常に有用な検査法である.MR画像からは頭蓋内病変の有無だけでなく,大脳や小脳,海馬等の萎縮の評価なども可能である.

 萎縮の評価には医師による視覚的評価が一般的である.そこで,頭部MR画像から目的とする領域を自動的に抽出し,体積を計測することができれば,定量的に評価することができる.さらには領域抽出はCADシステム構築の際の基礎となる.

 

研究内容
  我々は,体積計測および診断用に撮像している頭部MR画像冠状断像から側頭葉を自動的に抽出する手法を開発した[1].対象はスライス厚5.0mm,Gap0.0mm(interleave aquisition)であった.しかし,体積を精度よく計測するために,解析する画像を冠状断像スライス厚2.0mm,Gap0.0mm(interleave aquisition)とした.この画像から側頭葉を抽出するために,まず脳領域を抽出した.次に上端面の境界であるシルビウス裂を自動的に検出した[2].また小脳上断面も自動検出し,側頭葉および大脳,小脳脳幹部を自動的に抽出した[3-5].
STEP1:冠状断像(2.0mm/0.0mm)からの領域拡張法による脳領域の抽出
<撮像条件> <抽出結果>

シーケンス : Spin Echo
TR     : 500[msec]
TE     : 8[msec]
Slice width: 5.0[mm]
Gap     : 0.0[mm]
NEX     : 1
Matrix    : 256x192
Direction  : Coronal



STEP2:シルビウス裂の自動検出
<検出方法> <解析結果>
 
STEP3:大脳,小脳脳幹部,側頭葉の自動抽出
 

 

現在取り組んでいること
  • 臨床画像(Axial,Sagittal,Coronal)からの体積計測法
  • 前頭葉および頭頂葉抽出のための中心溝の自動検出
  • MR画像からの計測による誤差の検討
  • CADを目指した頭部MR画像データベースの構築

など   

 

将来展望

<MR Imaging>
・検査法の開発
・コンピュータ支援MRI検査法の開発

<CAD・定量解析>
・コンピュータ支援診断法の開発
・コンピュータによる定量解析法開発

<データベース>
・さなざまな疾患のデータベース構築
・データベースを利用したコンピュータ支援診断の構築

 

関連する文献

[1]林則夫,真田茂,鈴木正行: 頭部MR画像冠状断像における側頭葉後部自動抽出法の開発,日本放射線技術学科雑誌,59(11),1407-1413,2003.
[2]林則夫,真田茂,鈴木正行,他: 頭部MR画像におけるシルビウス裂検出法の開発,医用画像情報学会雑誌,20(3),170-175,2003.
[5]Norio Hayashi,Shigeru Sanada,Masayuki Suzuki: Development of automated volumetry of temporal lobe on coronal MR images, Computer Assisted Radiology and Surgery, 2003.
[4]林則夫,真田茂,鈴木正行,他: モルフォロジー処理を利用した頭部MR画像における小脳および脳幹部の自動抽出法,医用画像情報学会雑誌,21(1),109-115,2004.
[5]林則夫,真田茂,鈴木正行,他: 頭部MR画像を用いた小脳および脳幹部の自動抽出法の検討,日本放射線技術学会雑誌,61(4),499-505,2005.

 

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