担当者 奥村 英一郎
背景 |
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腹部CT(computed
tomography)検査において,放射線科医は単純CT画像と造影CT画像における肝臓輪郭を比較しながら,主観的に両画像の同じスライス面を照合して読影している.マルチスライスCTの臨床的な有用性として,1回の呼吸停止でのスキャン範囲の拡大などが挙げられる[1-3].しかし,ヘルカルCTと比べてスライス厚を薄く設定できるため,1回のCT検査における画像枚数が急増している.そのため,被検者1人あたりの読影画像枚数が急増し,放射線科医の読影負担の増加が懸念されている. 今回,肝臓領域の単純CT画像と造影CT画像の同じスライス面を高い正確度で認識する方法について検討した. |
研究内容 |
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本研究では,テンプレートマッチング技術を基づいて,単純CT画像と造影CT画像から得たテンプレートとの類似度を比較することにより,両画像のスライス位置を自動的に合わせた[4]. | |
結果1 |
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結果2 | |
放射線科医によるスライス位置照合の結果とテンプレートマッチングの結果を示す. 本症例では同じスライス面が正しく認識された割合は100.0%(22枚/22枚)であった. |
現在取り組んでいること |
・過去と現在画像(動脈相)の同じスライス面の認識 ・Dynamic subtraction(動脈相-単純相),Temporal subtraction |
将来展望 |
ダイナミック差分,経時的差分画像を用いた肝細胞癌の検出 with コンピュータ支援診断システム |
検討中 |
関連する文献 |
[1]Peterson MS, Baron
RL, Marsh JW, et al. Pretransplantation surveillance for possible hepatocellular
carcinoma in patients with cirrhosis: epidemiology and CT-based tumor
detection rate in 430 cases with surgical pathologic correlation. Radiology,
217, 743-749, (2000). |